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『葬送のフリーレン』9話では、フェルンとシュタルクが勝利し、アウラ戦は決着を第10話へ持ち越します。
2023年11月3日放送の第9話「断頭台のアウラ」は、街の内外で3つの戦闘が同時進行するエピソードです。この記事では、第9話で描かれた事実を中心に、各魔族の能力、勝敗を分けた理由、演出に込められた「模倣と継承」の構図をネタバレありで解説します。
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『葬送のフリーレン』アニメ9話で何が起きた?
第9話「断頭台のアウラ」では、フリーレン対アウラ、フェルン対リュグナー、シュタルク対リーニエという3つの戦いが描かれました。
第9話の範囲で決着するのは、フェルンとシュタルクの戦いです。フリーレンとアウラの対決は、両者が直接向き合った状態で第10話へ続きます。
対戦 魔族側の能力 第9話の結果
フリーレン対断頭台のアウラ 服従させる魔法〈アゼリューゼ〉と不死の軍勢 決着せず第10話へ
フェルン対リュグナー 血を操る魔法〈バルテーリエ〉 フェルンが撃破
シュタルク対リーニエ 模倣する魔法〈エアファーゼン〉 シュタルクが撃破
物語の舞台となるのは、七崩賢の一人・断頭台のアウラに狙われているグラナト伯爵領です。
アウラは和睦の使者として、配下の「首切り役人」であるリュグナー、リーニエ、ドラートを街へ送り込みました。しかし、彼らの目的は和平ではなく、街を守る防護結界を解除させることでした。
魔族の性質を熟知するフリーレンは使者を信用せず、街中で攻撃しようとしたため拘束されます。第8話では、牢へ侵入したドラートをフリーレンが倒し、そのまま街の外へ向かいました。
同じ頃、フェルンとシュタルクはリュグナーたちに拘束されていたグラナト伯爵を救出します。
その結果、第9話では敵軍の中心にいるアウラをフリーレンが担当し、街に残ったリュグナーとリーニエをフェルンとシュタルクが迎え撃つ形になりました。
ここで注目したいのは、3人が偶然ばらばらに戦っているわけではないことです。
フリーレンが最大の脅威であるアウラを引き受けたことで、フェルンとシュタルクは伯爵の保護と街の防衛に集中できます。作中で詳細な作戦会議は描かれませんが、それぞれが必要な行動を選び、結果として役割分担が成立しています。
第9話の戦闘は、単純な強さ比べでもありません。
フェルンはフリーレンから教わった戦い方を実践し、シュタルクはアイゼンとの修業で築いた身体を武器にします。対する魔族は、目に見える魔力や動作から相手の強さを判断しました。
見えている能力だけで測る魔族と、師と過ごした時間を力に変える人間側。この認識の差が、二つの決着を生み出します。
なお、原作ではコミックス第3巻の第18話「不死の軍勢」、第19話「急襲」、第20話「師匠の技」が、アニメ第9話に対応する主な範囲です。
断頭台のアウラは不死の軍勢をどう操っている?
断頭台のアウラは、魔王直属の大魔族「七崩賢」の一人です。
アニメ公式サイトのキャラクター紹介では、魔力が自分より劣る相手を服従の天秤にかけ、永遠に操る「服従させる魔法〈アゼリューゼ〉」の使い手と説明されています。
服従の天秤には、術者と対象の魂が乗せられます。魔力量の少ない側が多い側に支配されるため、500年以上生き、膨大な魔力を蓄えてきたアウラにとって極めて強力な魔法です。
しかし、絶対にアウラが勝つ仕組みではありません。
対象の魔力がアウラを上回っていれば、アウラ自身が相手に服従する危険があります。強力だからこそ、使用者も結果から逃れられない魔法なのです。
アウラが率いる鎧姿の兵士たちは、かつて彼女と戦い、服従させられた者たちでした。すでに命を失っているため、作中では「不死の軍勢」と呼ばれています。
その中にはグラナト伯爵の息子も含まれていました。
街を守るために戦った者が、死後は街を攻める兵士として使われる。アウラの戦い方が恐ろしいのは、戦力を奪うだけでなく、残された人々の記憶まで武器に変えてしまう点です。
フリーレンが使ったのは「解除魔法」
フリーレンは、不死の軍勢へ解除魔法を使い、アウラによる支配を一体ずつ解いていきます。
これは「死者を眠らせる魔法」という固有の魔法ではありません。アニメ公式サイトの魔法紹介でも「解除魔法」と記載されており、作中で描かれている効果は、アウラが死者へかけた服従の魔法を解除することです。
解除された者の肉体は、その場へ静かに崩れ落ちます。
死者が生き返るわけでも、魂を眠らせる魔法が新たにかかるわけでもありません。アウラの命令から解放され、操られ続けていた身体が動きを止めるのです。
アウラは、意志の強い者が支配へ一時的に抵抗する欠点を把握していました。
そのため、鍛え抜かれた英傑たちの首をあらかじめ落とし、抵抗しても自力で行動できない姿にしています。解除されそうになった瞬間に自害させたのではなく、支配後の抵抗を封じるための処置でした。
それでもフリーレンは、かつてのように軍勢をまとめて吹き飛ばそうとはしません。
一体ずつ解除する方法は大量の魔力を消費します。アウラも、その非効率さを不思議に感じていました。
理由として示されるのが、かつて同じような軍勢を吹き飛ばした後、勇者ヒンメルに叱られたという記憶です。
ヒンメルはすでに亡くなっています。それでも彼の言葉は、フリーレンの判断の中に残っていました。

ここからは僕の解釈です。
フリーレンが遺体を破壊せず、魔力を消耗してでも解除を続ける姿は、ヒンメルの命令に従っているだけではありません。彼と旅をした時間によって、死者を待つ人々の感情を想像できるようになった証しだと考えられます。
かつてのフリーレンなら、戦闘を終わらせる効率を優先していたかもしれません。
しかし今の彼女は、亡くなった者にも名前があり、家族があり、帰る場所があったことを知っています。グラナト伯爵の息子を含む軍勢を丁寧に解放する行為には、「葬送」という題名に通じる静かな弔いが滲んでいました。
フェルンはリュグナーをなぜ倒せた?
フェルンは、魔法を発動する速さと連続攻撃によってリュグナーを追い込み、最後は一般攻撃魔法で撃破します。
リュグナーが使うのは、血を操る魔法〈バルテーリエ〉です。
自らの血を武器や防御へ転用できるほか、相手の衣服に付着した血も攻撃に利用できます。第8話でフェルンに負わされた傷を修復しており、魔力、技術、戦闘経験のいずれでも自分が上だと判断していました。
一方、フェルンが中心に使うのは、ゾルトラークを基礎とした一般攻撃魔法と防御魔法です。
ゾルトラークは、魔族クヴァールが生み出した「人を殺す魔法」でした。人類による長年の解析と研究を経て、現在では一般的な攻撃魔法として魔法体系へ組み込まれています。
珍しさだけを比較すれば、リュグナーの血を操る魔法のほうが特別に見えるでしょう。
しかしフェルンの武器は、複雑な魔法ではありません。攻撃を認識してから防御するまでの速さと、リュグナーに術式を組み立てる余裕を与えない圧倒的な手数です。
リュグナー自身も、フェルンの魔力や技術より魔法を放つ速度を警戒します。
彼が防御へ回った瞬間、主導権はフェルンへ移っていました。特殊な能力を攻略したというより、磨き上げた基礎によって相手の得意な展開そのものを封じたのです。
リュグナーがフェルンの魔力を見誤った理由
もう一つの決定的な要因は、フェルンが普段から魔力を制限していたことです。
魔族は魔力を強さや地位の基準として扱い、自分の魔力を大きく見せようとします。その価値観では、長い年月をかけて魔力を小さく見せ続ける行為を合理的に理解できません。
フリーレンから魔力制限を学んだフェルンは、実際よりも弱い魔法使いに見えていました。
リュグナーは目の前にある魔力を正しく観察していたつもりでしたが、観察対象が意図的に偽装されている可能性を計算できていなかったのです。
終盤、フェルンが抑えていた魔力を見せると、リュグナーは過去に戦ったフリーレンの姿を重ねます。
彼にとっての衝撃は、少女の魔力が予想より大きかったことだけではありません。魔族を欺くための技術が、フリーレンから次の世代へ受け継がれていたことでした。
僕はこの戦いを、フリーレンが画面にいないからこそ成立する師弟描写だと考えています。
フェルンは師の技をそのまま披露するのではなく、自分の得意な発動速度と組み合わせています。受け継いだ教えを自分の戦い方へ変換できた時点で、彼女は「フリーレンに守られる弟子」から、一人で魔族を倒せる魔法使いへ踏み出したのでしょう。
シュタルクはリーニエにどう勝った?
シュタルクはリーニエの攻撃を耐え抜き、本物のアイゼンとの違いを見抜いたうえで、閃天撃による反撃で勝利します。
リーニエの能力は、模倣する魔法〈エアファーゼン〉です。
過去に見た人物の動きと魔力の流れを記憶し、再現できます。彼女がシュタルク戦で模倣したのは、勇者ヒンメルの仲間であり、シュタルクの師匠でもあるドワーフの戦士アイゼンでした。
リーニエがアイゼンの動きを知っていたのは、かつてアウラ軍が勇者一行と戦った際、遠くから戦闘を観察していたためです。
斧の構えも、踏み込みも、攻撃へ移る動作もアイゼンに似ています。
師匠の技を敵が使う光景は、シュタルクに大きな動揺を与えました。リーニエの斧は何度も身体を捉え、シュタルクは血を流して倒れ込みます。
それでも、シュタルクは攻撃を受けるうちに決定的な違いへ気づきました。
リーニエの一撃は、本物のアイゼンより軽かったのです。
リーニエが再現できるのは、観察した動作と魔力の流れです。アイゼンが持つドワーフの頑強な肉体や、長い年月をかけて鍛えた身体能力まで複製できるわけではありません。
対するシュタルクは、アイゼンの動きを模倣しているわけではありません。
幼い頃から師の攻撃を受け、倒され、立ち上がる修業を繰り返してきました。本物の重さを身体で知っているからこそ、リーニエの模倣が外見ほど致命的ではないと判断できます。
シュタルクはリーニエの斧を身体で受け止め、反撃できる間合いまで踏み込みました。
そして強烈な閃天撃を放ち、リーニエを撃破します。

シュタルクの勇気は「怖くないこと」ではない
シュタルクは恐怖を感じなくなったわけではありません。
第6話の紅鏡竜との戦いでも震えており、第9話でも敵の攻撃を受けて傷つきます。自分が強いことを完全には信じられず、戦う直前まで弱音を吐く姿も変わっていません。
それでも彼は、自分がまだ立っている事実を確かめ、再び斧を握ります。
僕は、シュタルクの勇気は感情ではなく行動として描かれていると考えています。
恐怖が消えたから前へ出たのではありません。怖いまま、痛みを抱えたまま、守るべき場所から逃げなかった。その選択が彼を戦士にしています。
リーニエにはアイゼンの「動き」がありました。
シュタルクにはアイゼンと過ごした「時間」があります。目に映る技より、身体に刻まれた記憶のほうが強かったことが、この戦いの核心です。
9話の3つの戦いはなぜ「模倣と継承」でつながる?
第9話の独自性は、3つの戦闘を異なる勝負として見せながら、すべてを「受け継がれた時間」という主題で結んだ点にあります。
フェルンはフリーレンの魔力制限を受け継ぎ、シュタルクはアイゼンとの修業で得た耐久力を発揮しました。
そしてフリーレンもまた、すでに亡くなったヒンメルの言葉を受け継ぎ、不死の軍勢を解除魔法で解放します。
ここで重要なのは、3人とも師や仲間をそのまま真似ているわけではないことです。
フェルンは魔力制限を自分の発動速度と組み合わせ、シュタルクはアイゼンとは異なる人間の身体で戦っています。フリーレンも、ヒンメルが見ていない場所で自分の意志として死者を守りました。
一方、魔族側は相手をよく観察しながら、その背後にある時間を読み違えます。
リーニエはアイゼンの技を模倣できても、鍛錬によって作られた身体までは再現できません。リュグナーはフェルンの魔力を測れても、それが意図的に制限されているとは理解できませんでした。
魔族は目に見える形を読み、人間側は目に見えない時間を継承する。
これは種族のすべてを説明する絶対的な定義ではなく、第9話の戦闘構成から読み取れる僕の解釈です。ただし、二つの決着がどちらも「観察は正しかったが、意味の理解が足りなかった」という魔族側の誤算から生まれている点は見逃せません。
3戦場の構図・間・音が強さの違いを伝える
第9話の脚本は鈴木智尋、絵コンテ・演出は藤本航己が担当しました。
作画監督は長坂慶太、アクション作画監督は岩澤亨、総作画監督は長澤礼子です。これらはアニメ公式サイトの第9話情報でも確認できます。
3つの戦場は、画面のリズムが意図的に分けられています。
アウラ戦では、不死の軍勢が並ぶ戦場を広く見せる構図が使われます。フリーレンとアウラの間には物理的な距離があり、会話にも間が置かれるため、大軍を前にした静かな緊張が生まれました。
フェルン戦では、攻撃魔法と六角形の防御魔法が短い間隔で切り替わります。
同じ構えから繰り返し放たれる光と鋭い射出音が、フェルンの武器は一発の派手さではなく「相手より早く、何度も撃てること」だと視覚と聴覚の両方で伝えています。
シュタルク戦では、斧が身体へ届く衝撃、地面や石壁の破損、傷ついた身体が立ち上がるまでの重い間が強調されます。
フェルン戦が線の速さなら、シュタルク戦は重量のぶつかり合いです。同じアクションでも感触を変えることで、魔法使いと戦士の強さを混同させていません。
場面転換も、単に3か所の状況を報告するためのものではありません。
リーニエがアイゼンの動きを再現する場面から、フェルンがフリーレンの戦術を使う場面へ移ることで、「模倣」と「継承」が比較できる構成になっています。
さらに、フェルンとシュタルクが反撃へ転じる前には、敵が見落とした情報が示されます。
それまで劣勢に見えた場面が、説明を挟んだ瞬間に逆転の準備へ見え直す。脚本が回想で戦闘を止めるのではなく、すでに見た攻撃の意味を更新しているのです。
光の粒一つに、キャラクターの心が滲んでいた。
ただ美しく動くから心を奪われるのではありません。速度、重量、沈黙という別々の感触が、3人の生きてきた時間を見える形へ変えている。その設計に、第9話の物語の温度があります。
第10話へ続く要素について
ここからは第10話「強い魔法使い」の内容に触れます。第9話までの情報だけで楽しみたい方は、次の「まとめ」まで読み飛ばしてください。
第9話でフェルンが見せた魔力制限は、第10話で描かれるフリーレンと大魔法使いフランメの過去へつながります。
第10話では、千年以上前に魔王軍によって襲われたエルフの集落で、生き残ったフリーレンがフランメと出会った経緯が描かれます。その過去を通して、フリーレンが魔力を制限し続ける理由が明かされます。
これは第9話時点では、まだ全容が説明されていない情報です。
第9話だけを見ると、魔力制限はフェルンがリュグナーの判断を狂わせた戦術として機能しています。第10話まで見ることで、それがフランメからフリーレンへ、さらにフェルンへ渡された長い継承の一部だったと分かります。
僕が巧いと感じるのは、設定を先に説明するのではなく、まずフェルンの勝利として体験させている点です。
弟子が戦術の有効性を証明した後に、その源流である師の過去を描く。情報を明かす順番によって、フェルンの勝利が一人の才能だけではなく、千年以上続く意志の到達点として見え直します。
まとめ|『葬送のフリーレン』9話は継承が勝敗を分ける
『葬送のフリーレン』アニメ9話「断頭台のアウラ」では、街の内外で3つの戦いが進みました。
フェルンは、魔法を放つ速度と魔力制限によってリュグナーの認識を崩します。シュタルクは、本物のアイゼンとの修業を根拠にリーニエの模倣を見破りました。
フリーレンはアウラとの決着には至りませんが、解除魔法を使い、不死の軍勢にかけられた服従を一体ずつ解いていきます。
第9話の勝敗を分けたのは、表面上の技の珍しさだけではありません。
リーニエにはアイゼンの動きがありましたが、シュタルクには師と過ごした時間がありました。リュグナーには魔力を観察する目がありましたが、フェルンにはフリーレンから託された戦術がありました。
そしてフリーレンの中にも、亡きヒンメルの言葉が生き続けています。
師や仲間から受け取ったものは、姿が見えなくなっても、その人の選択に残る。第9話は激しい戦闘を描きながら、「模倣できる技」と「受け継がれる心」の違いを静かに浮かび上がらせた回でした。
記事内の話数情報、スタッフ、魔法名は、アニメ『葬送のフリーレン』公式サイトの第9話ページ、キャラクター紹介、魔法紹介、および小学館刊の原作コミックス第3巻を基準に確認しています。演出に関する記述は、本編を視聴したうえでの筆者の分析です。
よくある質問
『葬送のフリーレン』アニメ9話の放送日とタイトルは?
第9話「断頭台のアウラ」は、2023年11月3日に日本テレビ系で放送されました。当日は編成変更により、午後11時15分からの放送でした。
アニメ9話でフェルンとシュタルクの戦いは決着する?
はい。フェルンはリュグナーを、シュタルクはリーニエを第9話内で撃破します。フリーレンとアウラの戦いだけが第10話へ続きます。
アニメ9話は原作漫画の何話に当たる?
主な対応範囲は、原作コミックス第3巻に収録された第18話「不死の軍勢」から第20話「師匠の技」までです。アニメと原作では場面のつなぎ方や演出が異なる部分があります。
『葬送のフリーレン』の物語やキャラクター心理を、別の記事でも詳しく読み解いています。
👉 天城蓮のアニメ考察を読む
執筆:天城 蓮(アニメ文化アナリスト|脚本構成研究家|ファン共感マーケター)



